モジュール型のdSPACE SCALEXIOシステムは、HIL(Hardware-in-the-Loop)およびRCP(ラピッドコントロールプロトタイピング)アプリケーションに使用することができます。このシステムは拡張性が極めて高く、厳しい用途に対応する高性能なプロセッサテクノロジと、総合的で高精度な高速I/O機能を提供しています。SCALEXIOシステムは、dSPACE ConfigurationDeskで設定を行います。
新しいEthernetボードのバリアントであるDS6336-CSを使用すると、すべてのSCALEXIOシステムにEthernetボードを実装し、センサシミュレーション向けなどの高性能なECUに高速でデータを伝送できるようになります。DS6336の両インターフェースでは、標準データレートである100、1,000、および10,000 Mbit/sだけでなく、2.5および5 Gbit/sもサポートしています。
最新のElectric Driveは、高出力であると同時にマイクロ秒単位での制御も完璧に行えるようになっています。こうした高出力を発揮しながら信頼性の高い動作を保証する効率的なプラットフォームは、今日の駆動システムを開発するメーカー各社にとって不可欠です。JEE社では、このようなElectric Driveの実現に向けて、dSPACEの強力なモデリングソフトウェアやSCALEXIOハードウェアによるHIL(Hardware-in-the-Loop)テストを活用しています。
新しいパワートレインのテストなどで、迅速かつ安全にモデル統合バージョンを作成する場合、dSPACEのデータ管理ソフトウェアであるSYNECTを使用すると、HILシミュレータファームにおけるワークフローの自動化を行うことができます。
制御システムが判断を独自に下す車両の妥当性を確認する方法は、開発者が直面した新たな課題でした。ZF社では、従来のHILテクノロジとセンサによる現実に即した環境シミュレーションを組み合わせることにより、この課題に対応しました。この目的のため、dSPACEツールチェーンをベースとしたテストシステムが設計されました。
この動画では、SYNECTにcodebeamerを直接統合する方法について、Intland社とdSPACEの担当者が説明します。これにより、codebeamerおよびSYNECTのユーザは、エンドトゥエンドのトレーサビリティを実現し、SILやHILの妥当性確認タスクを容易に計画したり自動化したりできるようになります。
発行:dSPACE Magazine 2/2017、2017年12月
さまざまな産業分野におけるメカトロニクスシステムの機能開発者の間では、今まさにSCALEXIOの時代が始まろうとしています。dSPACEでラピッドプロトタイピングシステムのリードプロダクトマネージャを務めるFrank Mertensが、このトピックについて詳細に説明します。
dSPACE SCALEXIO製品ラインは、自動車、自動化、航空宇宙、医療、輸送、研究などのさまざまな産業向けのHIL(Hardware-in-the-Loop)およびRCP(ラピッドコントロールプロトタイピング)アプリケーションに適した非常に柔軟な複数のフォームファクタを持つモジュール型システムです。強力なリアルタイムテクノロジを搭載し、総合的なバスサポートを行えるため、高度に自動化された自動運転、電動化モビリティ、最新のE/Eアーキテクチャによって増加するネットワーク通信などの、今後の極めて厳しい用途に最適です。
演算処理の中核であるSCALEXIOプロセッサハードウェアには、SCALEXIOプロセッサユニットとDS6001 Processor Boardという2タイプの製品が用意されています。いずれのハードウェアコンポーネントも定期的にアップデートされるため、実際の環境を容易にテストすることができます。
SCALEXIOプロセッサユニット
DS6001 Processor Board
SCALEXIOのI/Oハードウェアは、幅広い外部インターフェースを備えています。ハードウェアは4つのグループに分類できます。
すべてのSCALEXIO I/Oハードウェアは、以下の特性を共有しています。
SCALEXIO AutoBoxを使用すると、SCALEXIOの強力な機能を乗用車やトラック、列車、農業機械および建設重機などの車両で利用できるようになります。SCALEXIO AutoBoxは車載用途に最適化されているため、テストドライブを通じて電動パワートレインやシャシ制御などのコンポーネント、運転支援、高度に自動化された走行、および自動運転向けの各機能を開発する場合に最適です。
SCALEXIO LabBoxSCALEXIO LabBoxは、ラボ用システムとして、RCP、機能テスト、テストベンチの制御などの幅広い用途に使用できます。またカスタマイズされたHILセットアップのベースシステムとしても最適です。小型の筐体はオフィスのデスクに収まるサイズであり、最大18枚のSCALEXIO I/Oボードを実装するスペースを提供します。I/Oボードは容易に交換することができるため、リアルタイムシステムをさまざまな用途に合わせて調整可能です。
SCALEXIOラックシステムECUテストに対応するために、SCALEXIOの既製ラックシステムにはMultiCompact I/Oユニット、HighFlexボード、およびSCALEXIO I/Oボード向けの十分なスペースが提供されています。SCALEXIOラボシステムとは対照的に、HILテストに対応するSCALEXIOの既製システムは欠陥挿入と電流計測のオンボードモジュールで構成されており、総合的なソフトウェアサポートを提供します。
SCALEXIOカスタマイズシステムSCALEXIOシミュレータは、ユーザ固有の要件に合わせてカスタマイズすることができます。そのため、柔軟性や拡張性に優れています。主に、ネットワーク化されたECUの複雑なテストや、電子負荷と完全なバーチャルビークルを含むテストに使用することができます。
機械式テストベンチdSPACEでは、複雑なメカトロニクスシステムのテスト向けに、高度に動的なテストベンチを提供しています。このテストベンチでは、モーターや機械的負荷などの実際の部品を使用して、テスト対象のコンポーネントの動作を現実的に再現します。また、非回転系アプリケーション用のモーターコントローラやパワーエレクトロニクス制御ユニット向けには、数百kVAの電力を持つ高電圧の電子負荷モジュールを用いたターンキープロジェクトも提供しています。
パワーHILテスト当社のパワーHILシステムを使用すると、HILとダイナモメータテストの間のギャップを縮小することができます。当社は、コントローラやパワーエレクトロニクスなどのあらゆるインバータをフルパワーでテストできる既製のソリューションを提供しています。
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